超音波探傷試験 【Ultora Sonic Testing】
超音波を試験体中に伝播させ、試験体の音響的性質を利用して内部のきずや材質を調べる非破壊試験。
超音波探傷試験は内部欠陥を探す代表的な検査方法です。機械もデジタル高性能化し携帯性の高い機器も増えています。
"音"の基本と性質1
"音"について
空気の圧力の振動で、"音波"という波である。
圧力の振動とは、空気が圧力の変化で疎密を繰り返し前方へ進む。この波を耳は検知して音として認識する。
音の種類
音には高い。低い、大きい・小さい、などの変化がある。
圧力の振動の一回のサイクルを"周期(T)"で表し
そのサイクルで進む距離を"波長(λ)"で表す。
音の高低は一秒間の振動数で決まり。一秒間の振動数を"周波数(f)"と言い"Hz"という単位で表す。
・高い音は一秒間の振動数が多く"周波数が高い"状態
・低い音は一秒間の振動数が少ない"周波数が低い"状態
人に聞こえる音と超音波
人の耳で聞こえる音は周波数で表すとおよそ"20Hz~2,000Hz"の範囲で
20Hzより低い周波数は"低周波音"といい特徴は、指向性が鈍く波長が長く減衰が少ない。
また、20,000Hzより高い周波数の音を"超音波(UitraSonic)といい特徴として、指向性が鋭く波長が短く減衰が大きい。
超音波探傷試験では2,000Hzより高い超音波が利用されます。
音の波の形状と種類
音は音源を中心に四方八方へと広がるこれを"球面波"という。それに対して、音源からの波の進行方向に垂直な
平面のどの点においても振動・位相が等しい波を"平面波"という。
波が間断なく連続的に続く状態を"連続波"といい、流れたり止まったり長く連続しない波を"パルス波"という
・連続波は障害物で反射された反射派と進行波が重なり干渉が起こる。
・パルス波は障害物で反射された反射派と進行波が重ならず干渉が起きない。
音の振動方向
超音波探傷試験に使用する波は弾性波である。弾性とは応力をくわえるとひずむが除去すると元に戻る性質で一般的に個体を指す。
そして、弾性波とは弾性体中を伝わる波で主に"縦波""横波""表面波"などがある
・粒子間の伸び縮み方向と進行方向が一致しているこれを縦振動という。縦振動で伝わる波という意味で縦波という
・粒子の振動方向が振動の伝わっていく方向と直行になっているこれを横振動という。横振動で伝わる波という意味で横波という
・材料の表面層だけを伝わる波。非常に浅い範囲を縦波と横波を合わせたような挙動で進行する。
その他の波として
・板波・・・薄い板の上面、下面で同時に起こる状態
・クリーピング波・・・斜め入射の入射角度により材料の表面を横波が伝播する状態
続き・・・「音の基本と性質2」